YLUGカーネル読書会

6/5、YLUGカーネル読書会に行ってきました。

17:30 学校に集合し新橋に向けて出発した。雨。
   前回、DEBUG HACKS NIGHT!で新橋に行ったときも雨。


18:30 ミラクリナックス到着。
    よしおかさんによるカーネル読書会の紹介プレゼン。

  • 今回は第96回。
  • 97回目はTOMOYOナイトの予定、100回目はLinusさんを呼びたい。
  • カーネル読書会の特長は、質疑応答が活発で、海外からの発表者も多く、
  • 中学生から50代のおじさんまで幅広く参加していること。
  • 開催場所は、最近はミラクリナックスが多いが、日本SGIホールやその他大きな会議室などでも。
  • 情報はML、ブログ、Twitterなどでチェケラ。-
  • Googleヴィデオでは67回目からの映像が見られる。ニコ動では74回目から。
  • ニコ動を技術系プレゼンで使うのは新しい発見だった。
  • 発表資料や記録は公開が大原則。
  • 飲み会はビール+ピザで、飲み会第一法則が働く(飲み会では重要なことが話される)。
  • よしおかさんの野望
    • 技術を日本語で議論したかった。(done)
    • Linux Kernelへの貢献。(done)
    • Linusさんを呼ぶ。
    • カーネル読書会+他の勉強会とのコラボ。(7/3に予定あり)
    • 技術者が楽しく生き生きとして豊かな社会を実現。


そして、来場者の自己紹介が行われる。
おお、噂の厨房ITの彼が居る。一度会ってみたかったんだ。
話してみたら、すごくいい感じの謙虚な人でした。尊敬します。


19:00 Nicolas Raoul(ニコラ ラウル)氏によるプレゼン「セマンティックWeb」。
    すんごい面白かった。RDB好きな僕は、「RDBじゃ環境の差を乗り越えられない」というのが
    ビビッと来た。カーネル読書会という、かなり低レイヤーな名前の勉強会で行われた、
    超高レイヤーのお話だった。今回は、TLUGで発表した内容を、YLUGでも話してくれるみたい。
    [スライド-> http://nrw.free.fr/tlugsw.pdf]

  • セマンティックWebはWeb3.0と言われることがある。ユーザから見た場合には、Web2.0との違いは見えない。セマンティックWebはサーバの方で動く仕組みのこと。
  • サーバにたくさんあるデータを、アプリケーションがもっと簡単に有効に使っていこう、というのがセマンティックWebの方向性。
  • 現状(Web2.0)の多くのシステムでは、自分が欲しいデータはどこにある?欲しいデータは、データSiloにある。データに直接アクセスするわけではない。
  • 具体的に、セマンティックWebではどのようにデータを扱うのか。
  • データの内容を三つであらわす。「triple トリプル」。
    • subject, verb, object
    • =主語、動詞、目的語
  • 自然言語はあいまいである。
    • 例えばjava -> シマなのかコーヒーなのか
    • 例えばinterested in -> 色々なニュアンスがある
  • セマンティックWebでは、ある情報をURIで識別する。URIなら世界で一つのものを示すことができる。
  • あらゆる文章を「トリプル」で表すことができる。
  • 会場から質問)例文は単純な内容(I was born in 1982など)だからトリプルで表現できているが、複雑な文章はトリプルでは表現できない。どうする?
    • 解答)複数のトリプルを組み合わせることで表現できる。
  • トリプルを表現する手段
    • RDFXMLXHTML+RDFaでトリプルを表現する。
  • SPARQLという言語を使って、トリプルストア(DB)を操作する。SPARQLは、w3cで去年から標準になっている。
    • Barack Obama was born in
    • has name ?
    • →トリプルストアに上記SPARQLを入力すると、 ? = "Honolulu"と出るようなイメージ。実際には、各要素をURIで表す。
  • 会場から質問)URIが分からない場合どうするか?
    • 解答)Swoogle and Sindice(検索エンジン)で検索できる。または、目的の情報と関連のあるコミュニティに情報提供を求める。
  • いいURIとは、短くて、変更の必要がないもの。これ重要。
  • 情報を表すのにしっくりくる言葉がない場合はどうするか。
    • オントロジーで言葉を定義する(メタ的に)。それは、OOPでクラスを定義するのに似ている。
  • 複数のURIがある一つの情報を指す場合、「sameAs」機能で、複数のURIが同じものを指すということを定義できる。
  • 各種対抗技術まとめ(詳細はスライド資料に表形式でまとまっている)
    • Silos VS Semantic Web
      • アプリにアクセスするか、データに直接アクセスするかが違う
    • XML vs Semantic Web
    • RDB vs Semantic Web
      • RDBは、たとえば国が違うと情報をそのまま使えない。 Semantic Webは大丈夫。
      • RDBはわずかなリンク(インデックスやDBリンク)しか表現できない。 Semantic Webは自由に情報へリンクできる。
      • RDBは使う前に設計するので、変更があると痛い。 Semantic Webは簡単に新しいものを追加できる。
      • RDBは他のDBとブリッジしなきゃデータ共有できない。Semantic Webはその点で何も縛りがない。
  • 現在、Semantic Web的なアプリの例
  • どうデータを公開するか
    • まずDBpediaに行く。話はそれから。


途中、カメラの設定など手間取りでメモできない部分もあったけど、興味深い内容ばかりだった。
最後の方は、ビアバッシュ用ピッツァの匂いが会場に充満し、とにかく腹が減っていた。